手押し車お片付け事件

すがすがしい秋晴れの園庭で遊んでいた子どもたちが遊びを終え、お片づけをしていた時のこと。

「ここだよ~」「違う、あっち」

3歳児のムグンファ班のAちゃんとB君の声が聞こえます。

「違うこっちっ!」「違うってばあ‼」

「あっちやってば‼」「ぢ~が~ゔ~っていうてるやーん‼‼」

どんどん声が大きくエスカレートしていく様子。

どうも何かを片付ける場所でもめているようです。

見てみると手押し車です。二人とも一所懸命片付けようと頑張ってるのです。

お片付けの中でもちょっと格の高い手押し車の片づけ。

二人の様子を見守っていた先生がやってきて何やら話し、

やがてB君の手を引きその場から離れていきました。

B君は園庭で先生に肩を抱かれながら悔し涙を一生懸命手で拭き、

泣いてないことにしようと頑張っています。

Aちゃんは赤い顔で肩で息をしています。

Aちゃんの言い分が通った?いえいえ、何やらAちゃんも気まずそうな顔つきです。

Aちゃんに「二人ともここが正しいって思ったんだよね⁉」というと「うん」と答えます。

「でも違うっていう意見があった時はどうする?」「・・・」

「絶対っ絶対って言っても絶対じゃないときもあるんじゃないかな?」

実は二人とも間違ってはいませんでした。

つまり、日中は園庭の中に片付け、お預かりの遊びの終わりには玄関の方にしまうのでした。

「何でここじゃないかゆっくり聞いて、一緒に考えて『そうか、そういうことか』って言えると

よかったかな?」というとAちゃんはすぐにうなづき、いつもの顔で戻っていきました。

さて、B君はまだ園庭です。

「片付けるところがちがうと思ったの?」というと「うん」とうなづきます。

さきほどのAちゃんにした話を伝え、「Aちゃんも『うんわかった』って言ってたよ」

と伝えるとやっと足が動きました。そしてB君の『本当の場所』に片付けに行くことにしました。

隣のピンクの手押し車の横にきちっと幅寄せし、前後もきちんと合わせて終了。

顔を洗って靴も脱いでていねいに下駄箱にしまい、ちょっとためらいながらも

みんなのところに戻っていきました。

理不尽や悔しい気持ちと向き合い、でも自分で何とか気持ちに折り合いをつけたり、

泣いている友達にちょっと心を痛めたり、子どもたちの心はめまぐるしく働いています。

今日は韓国語教室の参観の日。そのお部屋の外であった出来事でした。

最後になりましたが、

保護者の皆様、お忙しい中おいでいただきありがとうございました。

子どもたちもとてもうれしそうでした。

次は生活発表会を11月19日に、体操教室の見学会を12月7日に予定しています。

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