『あたえる? もらう?』 (2022.6.18)

曾野綾子氏の言葉(朝日新聞)を紹介します。

『したいことだけしようとするのは、つまり幼児性の表れである。大人だって本当はしたい事だけしていたいのだが、そうはいかない。やはりすべきことをしなければ、と思う。そして、思いがけない事だが、したくないこともした時、初めて、人は自分が必要とされている存在であることを感じ、現世に生きている意義を見つけて、不思議なことに心が満たされるのである。もちろん例外もあるが、多くの人はこういう心理の経過を辿る。日本の間違いは、もう立派に大人の年でありながら、大人の行為をしようとしない「モラトリアムの子ども」を多く育て、抱えるようになったことだろう。』

『人は受けている時には、次の瞬間にはもう不満が残る。もっと多く、もっといいものをもらうことを期待するからだ。しかし自分が人に与える側に立つ時、ほんの少しでも楽しくなる。相手が喜び、感謝し、幸福になれば、それでこちらはさらに満たされる、という不思議さは、心理学のルールとしては基本的なものだろう。』

『若者たちには、いささかの苦労をさせて、庇護されるか自分のことだけするのではなく、他人を庇護し愛を与える立場に立たせることだ。それが活力と存在感のある大人になる唯一の方法なのである。』

全くその通りとは言えなくても、なるほどと感ずるところがたくさんあります。「あなたがいないと困る。あなたがいるととても助かる。、、、、」など、その人にしかない力が発揮できて、自分自身の存在価値を見いだせていたなら、とても幸せでしょう。やはり、それは、「もらう」ばかり、「してもらう」ばかりでは、感じることができないでしょう。他人にしてあげた時、与えてあげた時に感じることができるのでしょう。このことは、大人だけではなくて、子どもも同じような気がします。

 『日本の若者たちの印象を聞かれて「自分がしたいことをしているだけで、人としてすべきことをしていないから幸福そうに見えなかった。」とインド人の神父が言っていた』

 この言葉、ぐさりと胸につきささります。

      (高校 生徒会 ゴミ拾い活動の様子)